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それは自らを国境案内人と名乗った。
自分たちのような迷い込んだ人間を出迎える存在なのだという。そう語る口元は嫌らしい曲線を描いており、信用に足る存在とは到底思えないが。
さて、国境というからにはこの向こうには国があるのだろう。かつては大空を翔けていたであろう、空の覇者の亡骸を潜り抜ければ何があるというのか。アグニシアスは本で読んだ楽園を思い描いているようだが、きっとそれは見ること叶わないだろう。
期待に胸を膨らませるアグニシアスを前に、案内人は出口へたどり着くと恭しく一礼した。
「旅人よ、さまよえる者たちの煉獄へようこそ」
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